こんにちは!f-styleを主宰している岸洋子と申します。
私のこれまでのキャリアは右往左往、あっちいったりこっちいったりのグネグネ道です。
学生時代から世界で働くことに憧れ、大学卒業後、国際機関でインターンをした後、タイに渡って現地NPOで働きました。当時はHIV/AIDSの感染が流行しており、HIV予防やHIVウイルスとの共生についての理解を広める活動をしている団体に入り、国際エイズ会議という世界の政治界、医薬界、コミュニティリーダーが集まる会議の事務局で、世界の縮図と偏りを目の当たりにしました。その後、現地で就職活動をし、鉄鋼メーカーで海外へ鉄鋼製品を販売する営業として中東や東南アジアを飛び回っていました。
帰国後、某研究所で国際保健を学んだ後、日本の国際NPOにて難民支援や国際協力の事業を担当しました。時を同じくして結婚し、妊娠しました。国際協力の第一線で現場に出ようと思うと、妊娠出産というのが大きなハードルになることに直面したのです。私が思い描いていたキャリア像は、困難な課題に直面している現場に立って、人々の役に立つ仕事をしている姿。なのに、入って間もない団体で妊娠したという事実が申し訳ないやら悔しいやら。もちろん同時期や後に入ってきた同僚が先に海外赴任の要員に抜擢されるので、劣等感でいっぱいになりました。
そのような苦しい状態と、家庭の事情も重なり、国内大手の広告代理店での営業職に転職しました。しかし、まだ当時は夜遅くまでの残業もあたりまえだった時代で、ここでも幼い子どもを育てながら営業成績を若い人たちと競うのは大変。なぜ私のいるチームだけがチーム会議を営業時間内にやらなければいけないのか、とメンバーに苦情を言われ、それでも成績を出すために保育園の後シッターさんに作り置きしておいた夕食を食べさせてもらい、夜寝かしつけてからまた仕事。早朝は3時から仕事。圧倒的に時間の制約のある中で必死に数字を追いかけていました。
もう体も限界だ、という頃に、再度国際協力の仕事に就く機会を得ました。海外での大きな災害に対して緊急に対応する部署で、前のNPOでの事業管理の経験と、営業の仕事で培った経験から、ファンドレイジングのためのマーケティングの視点を活かすことができたのでした。そして、現場に行きたいという想いが募っていきました。そして、長男が5歳になりそろそろ動けるか、と上司に海外赴任を相談し始めた時、なんと2人目の妊娠が発覚したのでした。相談は撤回。2度目の妊娠でも、思い描いたキャリアを諦めることになりました。
しかし、それまでに充分劣等感や嫉妬心を経験していた私は、またそんな感情で自分を浪費したくないと思い、「私は海外の災害や困難な地域で何をしたいのだろう」と考えました。日本を出たい、ということでなく、「そこにある真の課題を見つけ、それを解決し、改善していく」ということがやりたい、できる人になりたい、ということに立ち返ることができ、そうすると今私がいられる現場というのは今住んでいる「ここ」ではないか、と。そして、「ここ」には、私のように何度もキャリアチェンジをせざるを得なかった女性や、働きたいけど働けない女性たちがたくさんいました。
何か自分が上手くできないから社会に出られないのではないか、もっとすごい人ばかりしか活躍できないのではないか、と自信を失ってしまったり、社会に出るのを躊躇している女性たち。でも、私が見てきた世界の国々では、多様な形で、グネグネと曲がったキャリアを生き生きと歩んでいる女性たちがたくさんいました。もっと自由なスタイルで働ける社会をつくりたい、と思い、活動をしています。
1. おうちで、近所で働く機会をつくる、ママが価値になる
企業からテレワークでできる事務や庶務の仕事を請け負っています。また、汎用品のメイン消費者としての声を集め届けることもあります。女性として、ママとして、暮らしているありのままの声が価値になる、そのことで自信が得られることも多くあります。
2.つながりを生かして
今はメンバーが地域に集中しています。その特性を生かし、さらに地域のつながりを強め、ママたちのみならず地域の商店や企業、学生やパパたちともつながりを作りたい、と地域イベントを開催しました。
3.キャリア、という言葉に圧倒されるママたちに力を
専業主婦だから、パートだから、育児に手がかかるから社会に出る自信がない、もう一度働く自信がない。そんな女性たちも働く機会が少ないだけで、真面目で忍耐力がありマルチタスクをこなせるように仕事ができない訳ではありません。「キャリア」という言葉に「一本道でまっすぐ登っていく」ようなイメージを持ち、少しでもその一本道から外れたら「キャリアがない」と思ってしまわないように、何度でも、どんなスタイルでもキャリアは築けると信じています。
4.しなやかに、したたかに、舞うように
海外で生活すると、日本のことを客観視できるようになりました。道がきれいなこと、教育が国の隅々にまで行き渡っていること、水がきれいなこと、ほとんどの人がきちんと雨風をしのげる家で過ごせること、など、当たり前と思っていたことが当たり前でない場所も地球にはあるのだと知りました。
また逆も然り、日本にはありとあらゆる場所に広告があること、アナウンスや注意が多いこと、自国のニュースが多く世界のニュースが少ないこと、なども見えてきました。ルールや常識の本当に多い国です。
でも、常識はところ変われば非常識。とても頑丈な枠があり、その中に自分を押し込めていることが多いママたちですが、その枠を外してもいいんだよ、新しい形を作っても大丈夫だよ、ということを体現したいと思っています。
5.もう頑張ってるよ
家事も育児も仕事も100%の力で全部完璧にしなければ、そんな思いから「私には無理だ」と思ってしまっていることはありませんか?
そんなのは、誰にもできません。
ウチママとして家事に育児に忙しい女性たちは、もう頑張りすぎているぐらい頑張っているんです。
ソトママとして自信を無くすほど競争して悔しい思いをしている女性たちも、頑張っているんです。
そう、もうすでに頑張ってるよ!
ラッキーなことに、私たちは今時代が大きく変わる時にいます。
このチャンスに、心の声を聞いて、そして柔軟にしなやかに、軽やかにいきましょ。
6.プロフィール
岸 洋子(きーちゃん)
f-style代表
道から外れたっていい。何度目のキャリアだっていい。私がワタシらしく働く。
自分を大切に。働くことを大切に。生活を大切に。
f-styleの「f」はfree style、flexible style、female style、favorite style、 fruitful style、family oriented style
それぞれの「f」を実現し、自分で自分を押し込めている枠を超えていける人を増やせるように。